不幸も許容する恋/『恋がさくころ桜どき』 杏ルート 感想1/1

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「……それが、あたしと恋をする条件」




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杏先輩の意味深な言葉も、今まで主人公に恋をさせようと紙相撲を使ってまで対象相手にこだわらなかったのに杏先輩だけは絶対反対と主張する恋の妖精ちゃんも、全ては「主人公は人間」「杏先輩は死神(ハーフ)」だから。

人間の平均寿命はせいぜい80そこらで歳月と共にどんどん身体は老いていき、おじいさんおばあさんになりますが、一方死神はハーフといえど寿命は人間とは桁違いで(そもそも、寿命なんてあるのでしょうか)老いることもなければ人と同じ時間を歩むことができない。

そのことから恋をすれば幸せになれると信じて疑わなかったティナもこれは不幸になることが目に見えている・・・と気付くわけですが、主人公も、そして杏もすでに承知の上で付き合うことを決心して。

「でもね、将来が不安だからとか。そういうのは、好きになったら関係なかったの」

「だってあたし、悠真くんとなら不幸になっても平気だもの」

「くすっ、恋ってそういうものなんじゃないかなって、あたしは思うんだ」

という至言を仰られる。゚(゚´Д`゚)゚。

ぶっちゃけ主人公的には、杏先輩がいつまでも可愛くて綺麗なままでいるのは不幸どころか幸せなので、問題は杏先輩がこの不条理を割り切れるか否かにかかっていたのですが・・・彼女の見出した答え「不幸になっても平気」「恋ってそういうものなんじゃないかな」は、なんと切なく思いの込められた言葉か。゚(゚´Д`゚)゚。

死神からすれば人間の寿命は人間がみる犬猫のそれに近いんでしょうね・・・。どれだけ大切にしても、愛しても、結局は自分よりはるかに短い時間で老いていき土に埋まってしまう。同じ世界を生きているはずなのに、同じ時間を歩めない寂しさや虚しさといったら・・・。

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物語は終盤に差し掛かり、人間の側面の杏と死神の側面のエレ。互いが互いを大切に想う話が描かれていき。

個人的になるほどなぁ・・・と一つ得心というか嬉しかったのが、どうして杏先輩は死んだ人の願いをわざわざ全て背負って、しんどいことも嫌な顔ひとつ見せず叶えようと頑張るんだろう、そのエネルギーはどこから湧いているんだろう、根っからの善人なのだろうか、といろいろ思っていたんですが、実際は、本人いわく自分はまったく大層な人間ではなくて、ただの打算で動いていたと。嫌なことを全て死神の自分に押し付けていることに対する、せめてもの罪滅ぼしが動機だったとモノローグとはいえ、そう口に零してくれたことですね。

現実って、どんなに利他的に善人のような振る舞いをする人もその行動には多かれ少なかれ打算があるじゃないですか。だから、杏先輩が何一つ裏がなく、いろいろなことを頑張っているわけじゃない、というのは創作物とはいえ人形じゃなく人間っぽいな~と自分たちに近しいものを感じられてよかったです。いやホント、何も打算がなく動いている人間なんていないと、つくづく思うので(^^;

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死神の仕事は、死んだ人の魂を刈り取る以外にもう一つ。新たに生まれてくる命に魂を与えること。

さながら輪廻転生の仲介役。人間と死神(ハーフ)の子供となれば今度は死神(クォーター)が誕生するわけですが、そんなに簡単に子供がぽんぽんと作れるのならば、この世界、実は結構人と死神のカップル多そうですね\(^o^)/杏先輩とエレは、自分たち以外にそういうケースは見たことがないと言っていましたが。オカマなら死神歴長いしいろいろと知っていそうですね。

そうそう、このオカマ滅茶苦茶いいやつ過ぎてビビります。およそ全てのルートで出てきては何だかんだで主人公の窮地を救ってくれるという・・・。いくら感謝してもし切れない存在ですね。

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b(サムズアップ)

恋がさくころ桜どき
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ぱれっと (2014-06-27)
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